■司令塔理論
司令塔理論とは、単独エースを軸に据えたパーティにおいて、
そのエースが、取り巻きの決定力・打開力を補佐する戦術のことを指します。
簡潔に言うと、「エースでサポートして、取り巻きが攻撃」という事です。
この戦術を使うにあたっての最大のメリットは、相手の“受け”の意識がエースに集中することです。
具体的な例を挙げてみます。
Lv.53ポリゴン2を主軸においたパーティにおいては、冷凍ビームや10万ボルト等の役割破壊を警戒して、
それぞれフォレトス+サイドンなどと、受けを複数用意してくる場合が多いです。
この場合だと、“ノーマル受け”を意識するあまり、他の属性に対する受けが甘くなっていると言えます。
ここで、こちらの取り巻きに、フーディンを加えておくとしましょう。
フーディンはアンコールの型で知られている通り、相手に“エスパー受け”が二匹居なければ、
相手の無駄技をアンコールして、突破の活路を見出せる、非常に打開能力に秀でたポケモンです。
そうすれば、もし上で挙げたポリゴン2の例の通りに、相手のメンバーがフォレトス+サイドンと二匹決定するなら、
この時点で相手のエスパー(フーディン)受けは不足してしまいます。
このように、メンバー次第で上手くこの状況まで持ってこれば、こちら側がかなり有利になれることがわかります。
ここで重要なのは、取り巻きの決定力に、更にエースのサポート能力が付加される事です。
ポリゴン2の例で言えば、フーディンは耐久力が低く、決定力があるにも、そう単調には場に出せないという面があります。
しかしポリゴン2の驚異的な耐久力とPPを持ってすれば、いつかは相手は回復せざるを得ない状況になり、
“眠る”を使わせることが出来ます。
そうやってフーディンを出す隙を作れば、相手の受けを崩すチャンスが出来ると言うわけです。
更にエースが、味方の役に立つ補助技を持っていれば、この戦術は奥行きが増します。
この例なら、ポリゴン2がリフレクターを持つ事で格段にフーディンが出しやすくなりますし、
取り巻きが、剣の舞ガラガラや腹太鼓リザードン等の、自身のステータスを上昇させて攻めるタイプなら、
ポリゴン2に電磁波を持たせる事で、それらの取り巻きが動きやすくなります。
以上の事から言えるのは、エースはなるべく“受け”、“ごまかし”の役割が多く、
耐久力の高いポケモンがそれに適しているという事です。
自分のパーティの守備のかなめ、またサポート要員として多く出せる方が、取り巻きの攻撃へと繋げやすいからです。
もちろん、エースが普通のエースとしてでも活躍出来るように、決定力・打開力があるなら、それに越したことはないです。
レベル編制ですが、個人的にはLv.53のポケモンを単独エースに据える、
「53 51 51 51 51 51」の編制が一番使いやすいと思います。
それぞれにLv.53とLv.51を目安に安定するポケモンも多いですし、
最近までこの持論は感覚的なものだったんですが、低レベルでの決定力の効率の良さは、
“51・53・55の法則”(※レベル編制の項参照)でも証明されています。
もともと“エースでサポートする戦術”自体は随分前からあったと思うのですが、
「司令塔理論(パーティ)」などと勝手に呼び名をつけ、このような戦術を勝手に分析したりして、
自分の中でも、次第に一つの戦略・戦術として確立出来てきたので、文章にして纏めてみました。
長くなりましたが、要するにエースで大半の受け役割をこなしながら、
そのエースの耐久力や補助技を足掛かりに、取り巻きの決定力で相手を崩しにいくという戦術を主にしたパーティが、
司令塔理論を用いたパーティだと言うことです。
■おまけ
司令塔として使えそうな感じのサポートをひとくち解説。
1:麻痺撒き (ポリゴン2、ナッシー等)
単純に、エースで電磁波や痺れ粉を駆使して麻痺を撒き、取り巻きを動きやすくさせるタイプです。
基本的に相手の動きを鈍らせる事が目的なので、ガラガラ等の遅いポケモンが取り巻きによく似合います。
>ログ
2:バトンタッチ (ブラッキー、ハッサム等)
司令塔が主に剣の舞や鈍い等のステータス上昇技を使い、取り巻きに繋げる戦術。
主にエースで攻めると見せかけるのが狙いで、それをフェイントに取り巻きで攻撃するのが理想の形です。
また、ステータス上昇系以外にも、滅びの唄ムウマと組ませる黒い眼差しブラッキー等もあります。
>ログ
3:壁張り (デンリュウ、スターミー等)
エースが光の壁やリフレクターを使ってサポートする形。
特に受けを強化する事によって、パーティ全体の耐久力アップを狙います。
防御的な補助である事と、豊富なPPから、やや持久戦向けと言ったタイプなので、
取り巻きには、腹太鼓や剣の舞を使うポケモンが適していると思います。
また、下のログの圧し掛かりガラガラのように、試合が長引く分、
相手にとって致命的な追加効果を出せる可能性が上がるようなポケモンも、これに向いていると思います。
>ログ
4:毒毒(or毒)撒き (カビゴン、スイクン等)
撒き菱をパーティに備えた、カビゴンやスイクン等に代表される毒サポート型。
取り巻きの飛ばし技との兼ね合いで、“昆布”の攻撃力を上げたり、
次第に相手のHPを削っていくことで、パーティの防御力も強化できます。
要は撒き菱パーティの事を指すんですが、そう言う所から視点を変えれば、このような事が言えるという事で。
5:間接的役割破壊 (使い手 多数)
名前のままに、間接的役割破壊をエースで決める事を言います。
普通の技でも良いのですが、下のログのように、大爆発や自爆を用いると相手の意表を付き易いです。
>ログ